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大会長挨拶

第41回日本救命医療学会総会・学術集会 大会長

森口 武史

山梨大学医学部 救急集中治療医学講座

 第41回日本救命医療学会学術集会の開催にあたり、日本救命医療学会の会員の皆様、ならびに関係各位の皆様に心より御礼申し上げます。
  

 救命医療は、重症患者の生命を守る最後の砦であると同時に、地域医療、救急搬送、集中治療、多職種連携、教育、医療安全など、多くの領域が交差する実践の場でもあります。日々の現場には、症例報告や臨床研究として共有すべき知見だけでなく、教育の工夫、地域連携の試み、多職種による改善活動など、次の救命医療につながる多くの経験が蓄積されています。


 本学術集会では、そうした現場の知恵と実践を広く共有し、若い世代を含めた多くの方々が発表し、議論し、次の一歩につなげられる場にしたいと考えております。そのため、今回は学術集会の活性化に向け、主に四つの新たな試みを行います。


 第一に、一般演題をより重視し、優れた発表を表彰する制度を設けます。最優秀演題賞、優秀演題賞、若手奨励賞などを予定しており、症例報告、臨床研究、教育実践、地域連携、多職種連携、業務改善など、救命医療に関わる幅広い取り組みを対象とします。大規模な研究成果に限らず、日々の診療や教育の中で得られた経験、他施設にも共有する価値のある工夫、印象深い症例などを、ぜひ積極的にご発表いただきたいと思います。特に若い先生方、医療スタッフの皆様にとって、本学術集会での発表が今後の学術活動への励みとなることを期待しています。
 

 第二に、一般演題を単なる発表の場にとどめず、次の学術活動につながる機会とすることを目指します。従来の質疑応答に加え、発表内容をより洗練させるための助言や、将来的な論文化・症例報告化を見据えた具体的なフィードバックが得られるような企画を検討しています。学会発表や論文作成の経験がまだ十分でない方にとっても、安心して挑戦でき、次の成果につなげられる学術集会にしたいと考えております。


 第三に、より参加しやすい学術集会を目指します。今回は地方開催の利点を生かし、参加費を抑えることで、若手医師、看護師、臨床工学技士、救急救命士をはじめ、多くの方々に参加していただきやすい環境を整えました。救命医療に関わる多様な立場の方々が集い、率直に学び合える場にしたいと考えています。


 第四に、特別講演のあり方です。本学術集会では、あえて救命医療の中心領域にとどまらない分野の先生にもご登壇いただきます。救命医療は、他領域との接点の中でこそ発展する面があります。COVID-19パンデミックを経て、私たちは医学・科学情報を社会にどのように届けるべきかという課題に、改めて向き合うことになりました。感染症やワクチンをめぐる誤情報・偽情報の拡散は、東日本大震災後の放射線被ばくをめぐる混乱や、HPVワクチンをめぐる問題とも通じる、サイエンスコミュニケーション上の重要な課題です。一方で、アカデミアがこうした社会との断絶に十分向き合ってきたかについては、私たち自身も省みる必要があると考えています。
そこで本学術集会では、COVID-19パンデミック下において、科学的根拠に基づく情報を一般社会に向けて発信し、関係機関への働きかけも含めて実践されてきた屋代香絵先生をお招きいたします。サイエンスコミュニケーションの難しさ、誹謗中傷を含む困難との向き合い方、そしてその最前線に立たれた立場から、救命医療に携わる私たちへの提言、さらにはアカデミアに求められる姿勢についてご講演いただく予定です。分野外の視点から救命医療を見つめ直すことで、私たち自身の診療、教育、研究、組織運営に新たな示唆が得られるものと期待しています。


 本学術集会が、救命医療に携わるすべての職種にとって、日々の実践を振り返り、互いの経験を学び合い、明日からの現場に持ち帰ることのできる場となるよう準備を進めてまいります。
 

 皆様からの多くの演題登録ならびにご参加を心よりお待ち申し上げます。

更新情報・お知らせ

第41回日本救命医療学会総会・学術集会 事務局

​山梨大学医学部 救急集中治療医学講座

Tel: 055-273-9812

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